◎オンブバッタを見わけよう。
アカハネオンブバッタとオンブバッタのもっとも簡単な見分け方は、アカハネオンブバッタでは後ろばねがピンク〜こい赤色となるのに対して、オンブバッタでは黄白色〜薄い灰色となる点です。特にアカハネオンブバッタの成熟オスでは赤黒くなり非常に特徴的です【*後ろばねの確かめかた(動画)】【オス・メスの後ろばねの比較(画像)】。また前胸側面にクチクラの薄い半透明な窓のような部分があること、頭部の複眼 より前に突出した部分の長さがオンブと比べて短いこともアカハネオンブバッタの特徴です。羽化後間もないアカハネオンブバッタでは、はねの赤色が非常に薄い場合がある一方で、オンブバッタにも薄くピンク色になる個体があるため、これらの特徴を組み合わせて判断するのが確実です。
アカハネオンブバッタ(薄い部分)
アカハネオンブバッタ褐色型メス
オンブバッタ緑色型メス
★ヒント オンブバッタを見つけよう。
場所:オンブバッタは草むらや花だんなどでよく見つかります。公園のちょっとした草むらや、学校の校庭でもきっと見つかるでしょう。
時期:一番良く目につくのは10月はじめから11月なかばです。この時期が調査には一番向いています。
つかまえ方:オンブバッタは手でも簡単につかまえることができます。もちろん虫とり網があると便利でしょう。歩きながら、飛び出してきたオンブバッタをつかまえます。同じバッタを何度も数えないようにするために、いったんビニール袋などに入れていきます。オンブバッタは形はショウリョウバッタとよく似ていますが、オンブバッタのほうがずっと小さく(< 40 mm)、眼の後ろの小さなイボイボがあることで見分けることができます。
捕まえるのが終わったら1匹ずつ取り出して、はねをひろげて、後ろばねの色でアカハネオンブバッタか在来のオンブバッタか見分けます。オスとメスが見分けられる場合には、その数も数えます。メスはオスより大きいです。
◎記録しよう
記録するのは、①場所、②日にち、③調査者(公表の可否も)、④種と個体数(オス・メスごと)です。どちらのオンブバッタも見つからなかったということも大事なデータですので記録を残しておきましょう。
(記録の例)①長居植物園(ハーブ園)、②2014年8月7日、③松本吏樹郎(公表可)、④アカハネ1♂3♀、オンブ3♂1♀)
近所の公園や校庭などのオンブバッタを調べてみませんか?みんなの調べた記録を、自然史博物館(下のあて先)までお知らせください。送っていただいたデータをもとにして、近畿地方のオンブバッタ2種の分布の様子をこのwebページで紹介しています。
あてさき:自然史博物館 松本 吏樹郎
(rikio@mus-nh.city.osaka.jp、〒546-0034
大阪市東住吉区長居公園1-23 大阪市立自然史博物館)